
いかにスマートに効率よく仕事をしたとしても、情熱が足りなければ辿りつけないのが商売。
我々のようなIT企業が陥りがちな悪循環。
昨日帰り際に社員に珍しく苦言を言った。
「売れることを目標にするのか、作ることを目標にするのかで成果が
大きく変わってくる。どんな些細なことでも情熱を持って、売るために
何でもするくらいの気持ちがなければ、絶対に売れないし、売れなければ
全員が不幸になる」
私は滅多に小言を言わなければ、社員の行動に対して否定的な指摘すらしない。
怒ることも叱ることもほとんどせず、ギリギリまで任せている。
危機感や主体性というのは、与えられるのではなく、自ら見出してほしい。
一人でビジネスが出来るほど、強い精神力と目標突破力を身につけてほしい。
そんな思いから、私は答えを与えない選択をすることが多い。
具体的な業務指示は出すけれど、出来ていないことを分かっていて
ギリギリまで指摘しない。そのギリギリの範囲をできるだけ作ってあげて、
彼らが一人で物事を動かせる人材に育つまで会社を維持していくことが
私の仕事だと思っている。
というわけでギリギリだった。最後の最後だった。
苦言を呈し、社員を帰して、一人オフィスで朝方まで考える。
きっと、私がトップダウンで物事を進めて、矢継ぎ早に彼らを指揮していたほうが
ビジネスとしても会社としても成長が早いだろう。常に厳しく苦言を呈し、
怒り、叱り、感情を煽って緊張感を与え続けたほうが短時間で成果も出る。
そもそもベンチャー企業なんて、毎日が戦争で、チーム全員が死に物狂いで
駆け抜けなければ、競合ひしめくこの業界でぬきんでることなどまず不可能。
ましてや新サービスのリリースともなれば、売れるまでの苦労は計り知れないのだ。
どこかで安心感や、根拠のない自信やプライドが、必死になりきれない要因を
作り出していて、その根源は私の甘さに原因があるのかもしれない。
売上、営業、ノルマ、を言い続け、緊張感や危機感を煽り続ければ、
それなりに成果は出るものだ。私はその逆をやっている。
しかし、そんなことは分かっているんだ。そんなことは分かっていて、
それでも、彼らに教えたいのは、そういうことじゃあない。
勉強をしなさいと言われて勉強する子供じゃなく、自ら必要性を感じて
机に座る子を育てたい。自ら机に座ってはじめて分かる勉強の難しさ。
勉強の方法を考える。工夫する、知恵を出す。分からなければどんどん
質問する。質問の方法を考える。そうやって自ら作り出したスタイルは
最大の武器になり、どんな事態にも対応できる子を育てる。
ビジネスも同じ。自ら難関に立ち向かうことで、人間のスケールを
大きくする。プライドも、物事に飛び込む恐怖感も捨て、死に物狂いで
立ち向かうことが出来る強い人間、自分の負けを素直に認めて、
自ら成長が出来る人間、そんな人になってほしいから、
私はこのスタイルをこれからも続けていくだろう。
企業としての発展は、思い描いていたよりもずっと遅いのかもしれない。
上場にしても事業部の子会社化にしても、東京支社の開設にしても、
このままいけば、想定より何年も遅れてくるだろう。
それでも、私にとってまず重要なのは、この会社を支せるメンバー一人一人が
本当の意味で強い人材に育つこと。
それからでも遅くはない。チームが育てば一気に駆け抜けていける。
当初の事業計画なんて、あっという間においついて、抜き去っていくだろう。
現に今、一歩一歩、彼らは太い幹に成長しつつあるのだから。
投稿者:トキカワ [2006年11月26日 12:38]
すごく考えさせられます。杉山君の考え、行動。権限委譲すことの大変さ、待つということにどれだけ勇気がいることか、
相互依存するまでにかかる時間。
そのなかで、ビジョンを持って運営していく、信じている杉山君。すごいです。
近いうちに食事に行きましょう!連絡します。
投稿者:杉山 [2006年11月26日 18:30]
行きましょう。行きましょう。
最近はオプラさんに顔出せてないので、
近いうちに行きますよ~。

