
私の大切なお客様が急逝した。
ガンだった。
いつも背筋がピンと伸びた、誰もがついていきたくなる様な女社長。
私より20歳も上だなんて、とても思えないほど、お若くて、綺麗な方だった。
当社を立ち上げる直前に、まだ実績も何もない私に
仕事をくださった会社。
決して忘れることのないご恩。
私が今後現場を離れても、最後まで担当をさせて頂くと誓った。
一蓮托生の想いから、成果報酬の契約もさせて頂いた。
お打ち合わせに行くと、いつも遊びにきてくださった社長。
お顔を出してくださること自体、恐縮で、でも、嬉しかった。
冗談ばかりで、打ち合わせが進まないほど楽しい時間だった。
私の背中を大きく叩いて、
「これからはあなた達の時代よ」と、励ましてくれた。
あのとき、既にご病気だったことを私は知らない。
数え切れないほどたくさんのことを教わった。
経営者としての悩みを素直に相談できる数少ない方だった。
「あなたが思うようにやりなさい」、と。
その言葉に随分励まされた。
いつしか、お打ち合わせにいらっしゃらなくなって、
随分時間がたった頃、ご病気だということを聞かされた。
弊社の小さな事務所に遊びに来て頂いて、
私の社員を全員紹介するという約束も、
果たせなかった。
いつも明るく元気に話をされていた社長の、
言葉一つ一つが思い返される。
社長、私はまだご恩を返しきれていませんよ。
まだまだやることが山ほどあって。
今日も打ち合わせをしてきたばかりです。
お会いした頃は、恥ずかしいほど未熟な会社でしたが、
少しだけ成長して、ずっと言っていたこと・・・
純粋に成果を追いかけるチームになってきましたよ。
ご恩を返すために粛々と、やり続けます。最後まで。
私が思うように。
心から、ご冥福をお祈り申し上げます。

