
この家に住もうと思ったのは、四季を感じることが出来る家を
探していたことと、初めて訪れた時、この大きな窓を開けると、
桜が咲き乱れていたこと。私は5分でここに住もうと決めた。
それから1ヶ月ほどして、私はここに引っ越してきた。
既に桜は散ってしまっていたけれど、青々とした景色を眺めながら、
新しい自分と向き合おうと思った。
失ってしまった時間も、既に後戻りできないところまで、
歩いてきてしまったことも、
全部ひっくるめて、私だと思った。
あれから、1年がたったのだ、と満開の桜を見て気づく。
ほんの30分だけ、ベンチに座り、桜を揺らす優しい春風と、
芳醇な葉巻の香りに包まれながら、
この1年間を巡らす。
心を鍛えよう、と。腕を磨こう、と。
無我夢中で働いて、大切な仲間を守れるようになろうと。
一瞬たりとも抜からず、自分自身と戦ってきたことのインセンティブが、
その景色の中にあった。

