現場の声から生まれたコンテンツ戦略で10倍のアクセスを達成

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株式会社 大賀薬局 様
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地域に根ざした120年の老舗薬局が挑んだブランド認知向上の取り組み
老舗薬局が抱えるブランド認知の壁
大賀薬局様は120年の歴史を持ち、九州を中心に120店舗を展開する地域密着型の薬局です。しかし、多くのお客様が処方箋を持ち込んで薬を受け取る際、単に「近所の薬局」や「病院の近くの薬局」という認識に留まっており、自分が通っている薬局が「大賀薬局」であることを認識していないということがわかりました。「調剤薬局」としてのブランド認知が十分に浸透していないという課題が浮き彫りとなっていました。
また、地域貢献に向けた様々な取り組みとして、24時間お薬相談や健康相談教室、ヨガ教室などを実施していましたが、従来のWEBサイトではこれらの活動を効果的に発信できていませんでした。WEBサイトでは、ほとんどのユーザーが店舗情報や決済方法の確認といった実用的な内容に留まり、企業としての価値や地域貢献活動を伝える場としては十分に活用されていませんでした。
この状況を受けて、特に次の二つの重要な課題が明確になりました。一つは企業ブランドの認知度向上、もう一つは単なる調剤薬局としてではなく、地域医療に貢献する「総合的な健康パートナー」としての価値を、単なる調剤業務にとどまらず、地域住民の健康を支える存在として効果的に発信することです。
競合がひしめく中で、単に薬を提供するだけでなく、薬局としての価値や役割をしっかり伝える必要性が明確になりました。
WEBサイトリニューアルとCI構築で実現した「専門性の発信」
ブランド認知向上や様々な取り組みを伝えるため、古くなっていた公式WEBサイトをリニューアルするとともに、見た目の刷新だけでなく、コーポレートアイデンティティ(CI)の刷新も同時に行いました。
より正確で質の高い情報を引き出すため、複数の店舗へ赴き、直接スタッフへのヒアリングを実施しました。
スタッフの方と直接話す中で見えてきたのは、現場に宿る専門性や熱意でした。
例えば、以下のような取り組みが挙げられます:
- 漢方の専門知識を持つスタッフが、日々の業務でユーザーに寄り添いながら提供しているアドバイス。
- 在宅医療の経験豊富なスタッフが、高齢化社会の課題に対応する考え方を共有。
- 管理栄養士による栄養指導サービスを通じて、地域住民の健康を支えている取り組み。
これらの「人」を軸とした強みは、当初予定されていなかったコンテンツマーケティングという形で、新たな可能性と価値を生み出しました。「薬局の現場から生まれる声を届けることで、お客様により近い存在になれる」という考えのもと、漢方、在宅医療、栄養管理、健康、美容といったテーマを基軸に、記事を作成する方針が立ち上がりました。
多種多様な課題に応えるコンテンツ設計
大賀薬局様のコンテンツマーケティングが目指したのは、ただ検索されやすいテーマの記事を作るのではなく、一般的ではない悩みに応える改善案を提供することでした。
記事はスタッフ自身が執筆する形をとりました。これにより、専門知識に裏打ちされたリアルな情報を発信することが可能となり、読者に信頼感を与えることができました。さらに、現場の声や経験が反映されることで、他にはないオリジナリティの高いコンテンツが生まれました。
例えば、漢方に関する記事では、症状や体質に応じた具体的な活用法を提示。これは「なんとなく調子が悪いが、病院では問題ないと診断された」ユーザーの不安を汲み取り、ユーザーに深く刺さる内容となり、大きな反響を呼びました。
また、管理栄養士が担当するコラムでは、日常生活ですぐに役立つ健康情報を、専門的かつ親しみやすい言葉で届ける工夫がなされており、ユーザーが抱える健康の悩みに応える形で「読者の共感」を生みました。
想像できなかったキーワードが生んだアクセスの増加
コンテンツ公開から約半年後、漢方や在宅医療、栄養管理といったテーマの記事が注目され始め、10ヵ月後にはアクセス数が約10倍、PV数が約7倍にまで拡大しました。
特筆すべきは、いわゆる検索ボリュームが大きい「病名」や「症状」ではなく、ユーザーが検索時に想像もしないキーワードの記事が反響を呼んだことです。たとえば、「水分をたっぷりとったのに、すぐに喉が渇いてしまうのはなぜ?」といった記事が多くの共感を集め、アクセスが急増しました。
参考記事:https://www.ohga-ph.com/column/detail/?cms_id=113
これは、「ただの情報」ではなく、スタッフの専門性とユーザーへの想いが込められたコンテンツであったことが要因です。
現場の声がもたらしたブランド認知の向上
今回のプロジェクトを通じて、私たちは大賀薬局様のブランド認知向上を支援しました。
サイトリニューアルやコーポレートアイデンティティ(CI)の構築をきっかけに始まったこの取り組みでは、スタッフの専門性や現場での想いを深く掘り下げ、それをユーザーに直接届ける形で発信しました。この結果、従来の「調剤薬局」という枠を超え、地域医療を支える総合的な健康パートナーとしての認知を広げることに成功しました。
継続的で有益な情報発信は、大きな成果をもたらしました。漢方、在宅医療、栄養管理といった専門性の高いテーマを掘り下げた記事は、地域住民だけでなく全国のユーザーからも注目を集めました。その結果、サイトへのアクセス数が大幅に増加しただけでなく、オンラインでの漢方相談を利用する方々が全国から増えるという成果を生み出しました。このように、デジタルを活用した情報発信の成功は、ユーザーとの新たな接点を創出し、地域密着型ビジネスの可能性をさらに広げました。
「現場の声」と「デジタルの力」を融合させたこのコンテンツマーケティングの成功事例は、地域に根ざした薬局が新たな価値を創出し、お客様との距離を縮める重要な役割を果たしたと言えます。
デザイントランスメディアは、こうした成功事例を通じて、クライアントの課題解決に向けた最適なデジタル戦略を提案し、実現をサポートしていきます。今後も、大賀薬局様のようにデジタルの力を最大限に活用し、より多くの人々に価値を届けられるよう、引き続き支援してまいります。