お問い合わせと提案
そうめんの5大産地の一つ、『島原そうめん』を作る藤田製麺からECサイトリニューアルのご相談をいただきました。カラーミーショップで作成されたECサイトは、売上も思うように上がらず、何かしようにもシステムの仕様上、思うように提案する施策を実行できないという課題がありました。
そこでご提案したのが制作費の2/3が補助されるIT導入補助金を活用したShopifyでのリニューアルです。
さらに私達からご提案したのはほとんど夏にしか売れないというそうめんの市場的問題を解決し、1年中そうめんを食べてもらう習慣をユーザーに持ってもらうという物でした。
目標CPA(獲得単価)は1,000円代
今回の目標は年間を通してCPA1,000円台で獲得することと設定しました。
CPA(獲得単価)は広告費÷獲得件数で産出される1件あたりにかかった広告費です。
一回の受注あたりの平均客単価が4,000円前後のため、わずかに利益が出る程度の設定ではありますが、リピート購入の促進と受注単価の向上へと繋げ、利益率を増やしていく計画です。
夏はスタンダードに広告ABテスト
5月末からのお中元戦線ではMeta広告、Yahooリスティングで集客を行いました。
結論から言えば最終的にはCPA1000円台で獲得できたので良い走りだしと言えました。
が、売れて当然の季節ですので、一円でもCPAを下げられるようABテストを繰り返し行いました。
エビや錦糸玉子を添えたもの、シンプルに涼しさを感じるようなオケに入れた画像など試しましたが、最高のCVRを出したのは製作中の真剣な表情(右画像)、その横顔の写真でした。
そうめんという誰でも知っている食品だとおいしそうなイメージよりも誰が作ったのか、職人風でこれまでのそうめんと違うかもという期待が購入に繋がったと予想されます。
リピーター獲得施策の秋
お中元が終わり、通年では急激に売上が落ちる9月以降は冬の広告テストに備え、夏にご購入いただいた新規顧客への2回目購入促進施策を中心に行いました。
主にメールによる購入機会の提供ですが、目的は以下の通りです。
- フォローやサポート、礼儀がしっかり行うお礼のメッセージ
- 茹で時間としめ方で美味しさが全然違うため、正しい食べ方の指南
- 飽きずにまた食べたい、次はこの食べ方をしてみたいという継続を促進するためのレシピ集
- 確かに違うと感じていただくため、職人の技やこだわり
このような内容で、内容を少しずつ変えながらご購入者様にメールを配信しました。
配信は全部で200通ほどでしたが、メールからのCVRは7.94%の成果が上がりました。
課題となる冬の広告戦略
売上が激減する冬にそうめんを売るために行った事は、シンプルに熱を感じるそうめん料理でした。
おそらく最もスタンダードであるにゅうめん、そして温かいを超えて熱さを感じるそうめんの地獄炊きという料理のバナークリエイティブをテストしました。
結果として11月~1月の獲得単価はギリギリ3,000円を切るくらいでしたが地獄炊き(左画像)単体では2000円前後で獲得できました。
そうめんの単価を考えると利益が出ているレベルではありませんが、新規を獲得してリピート戦略に乗せる事を考えると上々の結果だと評価しています。
季節ごとに反応率が大きく変わる事を実感する春
3月中旬ほどまでは2,000円台で目標をなんとか超えていた広告が暖かさを感じ始めると途端に売れなくなりました。冬は温度で勝負していたのに対し、ちょうどよい気温の春ではレシピの豊富さと食感にフォーカスした広告をテスト。
嫌いではないが好きでもないという複数の人に聞いたところ、麺の固さ(コシ)が物足りないという意見が散見されたため、レシピと合わせてコピーにも取り入れた結果、4月~6月の間はコンスタントにCPA1000円台で獲得することができました。
特に反応が良かったのは左の画像です。
まとめ
広告は小さな規模からスタートしましたが、1年間を通してそうめん通販で利益を上げるのは不可能ではないと感じられました。2年目以降は広告の精査と規模拡大、リピーター獲得の強化を行ってまいります。