ECサイトの商品ページにおいて、商品画像や価格だけを掲載している状態では、
ユーザーに十分な情報が伝わらず、比較検討の段階で他サイトに流れてしまうことも少なくありません。
購入を検討しているユーザーほど、「どのくらいで届くのか」「サイズは合うか」「組み立ては必要か」といった具体的な情報を求めています。
そうした購入前の不安を取り除くことは、ユーザーに安心してもらい、最終的な購入につなげるために重要なポイントです。
たとえば、以下のような悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。
・商品ページにどんな情報を載せるべきか判断に迷う
・購入前にユーザーが気にしていることを十分に汲み取れていない
・出荷日や納期の案内が曖昧で、お問い合わせが発生しやすい
本記事では、ユーザーの不安を減らし、スムーズに購入に進んでもらうための商品ページづくりについて、
家具産地・大川発の国産家具ブランド「SHIKI」様のECサイトにおける事例をご紹介します。
特定商材に限らず、他ジャンルのECサイトにも応用可能な考え方や工夫をお伝えします。
目次
1. ユーザーが商品ページに求めている情報とは?
ECサイトで商品を購入する際、ユーザーはさまざまな不安や疑問を抱えています。
家具の購入を検討している場合は、「この商品、自分の使い方に合うだろうか?」「届くのにどれくらいかかる?」「サイズ感は大丈夫?」といった疑問が解消されないままでは、購入をためらってしまうのが自然な行動です。
特に、実店舗で現物を手に取れないオンラインショッピングでは、「納得感を持って購入できるかどうか」が重要な決め手になります。
つまり、ユーザーが商品を比較・検討する段階で必要としている情報がページ上に用意されているかどうかが、購入の分かれ道になるのです。
以下のような情報は、ジャンルを問わず多くのユーザーが気にしている項目です。
-
出荷日・納期の目安
→ いつ届くのかが明確だと、購入目的に沿って計画を立てやすくなります。不明確な場合は、他サイトで納期の早い商品に流れてしまう可能性もあります。 -
送料や設置・組み立てなどの追加費用
→ 費用面でのサプライズを防ぎ、事前に把握できる安心感を提供。 -
サイズや仕様の詳細
→ 自宅のスペースに収まるか、使いやすいかを判断するための重要な材料となります。 -
オプションの内容や選び方
→ 選択肢が複雑な商品では、違いが明確に説明されているかが重要です。
必要な情報があっても、ページ内で見つけにくければ意味がありません。
まずは「どんな情報が必要か」を整理し、次に「どこに、どう見せるか」を考えることが大切です。
2. SHIKIのサイトで実践した、ユーザーの不安を減らす情報設計
商品ごとに異なる送料区分を自動表示+送料表を別ページで明確に管理
SHIKI様のサイトでは、商品ごとに設定された送料区分を自動で表示し、送料の詳細は別ページで一覧化することで、ユーザーが自分の負担額を明確に把握できるようになっています。
出荷日の目安や納期をわかりやすく表示
在庫商品は最短の出荷日を、受注生産品は納期目安を明記。
オプション選択によって納期が変わる場合は、それぞれに対応した情報を表示するなど、納期に関する不安を取り除く工夫がされています。
購入後の設置に関する不安を軽減
大型家具に多い「組み立てが必要か」「部屋まで運んでくれるのか」といった不安にも対応しています。
SHIKI様のサイトでは、組み立てが必要な商品に対しては「組立・設置まで無料」であることを、バナーでわかりやすく案内しています。
3. 購入前の「気になるポイント」を具体的に伝える工夫
写真や図解を使ってサイズ・仕様を伝える
テレビボードなど、サイズや内寸が重要な商品では、画像に情報を重ねたり、構造がわかる角度からの写真を掲載したりすることで、使用イメージを明確にしています。
テキストだけに頼らず、視覚的に補足する
寸法図や使用シーンの写真など、言葉では伝わりにくい部分を視覚的に補足することで、ユーザーの不安を軽減します。
情報の出し方にも順序とバランスを意識
納期や送料などの重要情報はページの目立つ位置に配置されており、詳細情報は読み進めた先に丁寧に整理されています。
“気になる情報に自然とたどり着ける”構成が意識されています。
4. 情報の見せ方と配置にもひと工夫
バナーで視覚的に伝える工夫
「組立・設置無料」などのサービス内容は、テキストだけでなくバナーで明示し、直感的に理解できるよう配慮されています。
送料表示と情報整理の工夫
商品ページでは該当の送料区分を表示し、送料区分ごとの詳細は別ページにまとめることで、情報のわかりやすさと詳細性を両立しています。
情報の優先順位に合わせて配置を工夫する
ユーザーの視線の流れを意識して、納期や送料は上部に配置。
詳細情報は後半に丁寧に掲載するなど、読みやすさを損なわない構成が取られています。
5. 他業種でも応用できる考え方
SHIKI様の取り組みは家具に限らず、他業種のECサイトにも応用可能な考え方です。
特にポイントとなるのは、「ユーザーの不安を先回りして取り除く」という視点です。
・アパレルなら「サイズ感」や「素材の質感」
・家電なら「設置環境」や「対応機種」
・日用品なら「使い方」や「安全性」
商品ごとに異なる条件や疑問点を予測し、事前に明確な情報として提示する姿勢が大切です。
情報を「どう見せるか」「どこに配置するか」といった設計も、どの商材にも応用できます。
まとめ
商品ページは、商品の魅力を伝えると同時に、ユーザーの疑問や不安を解消する場でもあります。
SHIKI様の取り組みは、
・必要な情報をわかりやすく整理する
・視覚的に伝わる工夫を取り入れる
・購入前の不安を先回りして解消する
といったポイントを通じて、安心して購入できる環境を整えています。
このような情報設計の考え方は、商材や業種を問わず、どのECサイトにも応用できます。
「伝わる商品ページ」をつくるために、まずはユーザーの視点に立ち、情報をどう届けるかを見直してみてはいかがでしょうか。