弊社ではWEB制作をメインでお仕事をいただきますが、ご発注いただく際に「名刺」や「パンフレット」など印刷物もあわせて依頼いただくことも多いです。
印刷の説明を行う際に、お客様から印刷会社とオンライン印刷に依頼する際の違いを聞かれます。

ちょっとわかりにくいかと思うので補足すると印刷会社は自社で印刷の工場を持っている会社、オンライン印刷はECなどオンラインで印刷を依頼する会社を指します。

以前は印刷会社で働いており、オンライン印刷も頻繁に活用している立場から印刷会社とオンライン印刷に依頼する際、「価格」「納期」「印刷のクオリティ」「加工」「用紙の種類」のポイントについてメリット・デメリットを比較したいと思います。

 

価格について

一般的にはオンライン印刷の方が安いとイメージされやすいですが、部数の少ない印刷はオンライン印刷が安く、部数が多い(数万部)印刷は印刷会社に依頼したほうが価格は安くなる印象です。
また、再販(同じ印刷物を作成)する際はオンライン印刷は価格は同じところが多いですが、印刷会社は安くなるところが多いです。初回印刷時に版(印刷機にセットする大きなハンコのようなもの)を作成するので、初回の価格は高くなりますが、再販の印刷費を落とすことが可能です。
※最近では版を作成せず印刷するデジタル印刷機の導入も増加し、印刷費用に版代が含まれることもあります。

コストを抑えるために大量に印刷すると印刷物で場所をとってしまい、わかりにくいですが変色もするので約1年間で使用するぐらいの印刷部数でどちらが安いかを検討いただくことをおすすめします。

納期について

即日印刷などのプランもあり、納期によって価格が変動しますが、オンライン印刷の方が短納期の場合が多いです。
オンライン印刷は深夜も稼働しているところも多いようです。
逆に納期に余裕がある場合はもっとも価格を安くすることができます。

印刷会社は再販の場合は印刷工程に空きがあれば、早めに納品してもらうことも可能ですが、基本的には最低限納期までに必要な日数が発生します。

納期が最優先される場合は多少印刷費は割高になりますが、オンライン印刷の方が短納期と言えます。

印刷のクオリティについて

印刷のクオリティは印刷機の性能によるので一概にどちらが良いとは言えません。
ですが、細かい要件を満たす点では印刷会社の方がさまざまな要望に応えてくれることが多いと感じています。
例えば、同じデザインデータで入稿した際、オンライン印刷では毎回、印刷された色の仕上がりが違うことが多いですが、印刷会社は以前の色味と同様にと伝えておくとほぼ同じに仕上がってきます。

どちらもDICやPANTONEで色を指定することも可能ですし、事前に印刷する前に色校正を行うことで解決は可能です。
細かく色味を気にしない場合はオンライン印刷でも問題無いかと思います。

加工について

オンライン印刷は折加工や箔押し加工など基本的な加工はありますが、複雑な加工はありません。
箱や紙袋なども印刷の種類として増えてはいますが、指定されたサイズ内でしか加工が難しく、複数の加工を組み合わせる場合には制限があります。

印刷会社は様々な加工に対応できる会社が多く、担当者さんの経験からメリット・デメリットを教えていただいたうえで判断ができるのでオリジナルで表現したい印刷物がある場合は印刷会社でなくては難しいと思います。
複数の加工を組み合わせていくと当然価格も高くなります。

用紙の種類

オンライン印刷では用紙を多く扱っているところは少なく、よく取り扱いがある用紙は「コート紙」「マットコート紙」「上質紙」の３種類です。
名刺だけ種類が多く、エンボス紙や光沢がある用紙など取り扱いもあります。

印刷会社は取り扱っている用紙も様々で印刷物にあった用紙も提案してもらえるので風合いや表現、クオリティを重視するのであれば印刷会社に相談することをおすすめします。

他にも様々な違いはありますが、チラシや名刺、簡単なパンフレットなど用途がわかりやすい印刷物で価格や納期を優先するのであれば、オンライン印刷を選択いただき、クオリティや用途を重視した印刷物は印刷会社に相談することをお勧めします。